大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和39(オ)672 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人江口新の上告理由第一点について。

原判決は、その主文において、控訴人らが被控訴人に対し本訴において請求する

不動産所有権移転による登記請求権を特定する方法として、原判決理由において説

示した買戻権行使の効力発生の日である昭和三四年一〇月四日を表示した趣旨であ

ること判文上明らかであるが、控訴人らは原審において、右の登記請求権を主張す

るものであること記録上明らかであり、ただ控訴人らが被控訴人に対し買戻の意思

表示をなした日が昭和三四年八月二〇日である旨主張しているものにすぎない。従

つて、原判決に所論の民訴法一八六条に違反する違法はない。論旨は採用できない。

同第二点(Ⅰ)について。

所論の点に関する原判決の事実認定は、原判決挙示の証拠により肯認できるから、

原判決に経験法則違反の違法がなく、また、原判決が控訴人Bの本人尋問の結果を

措信したことは採証法則に違反しない。なお、原判決は、控訴人ら主張の内容の買

戻契約とその主張の買戻の意思表示の存在を認定し、ただ、右契約における買戻の

効力発生時期を、控訴人ら主張の昭和三四年八月二一日より後である同年一〇月四

日である旨判断したものであつて、右買戻の効力発生時期がそのいずれであるかは、

控訴人らの本訴請求を左右するものでないから、これをもつて原判決に違法の廉が

あるということはできない。論旨はいずれも採用できない。

同第二点(Ⅱ)について。

記録によれば、控訴人らは、原審において、「控訴人らは被控訴人に対し昭和三

四年八月二〇日買戻代金五〇万円を口頭により提供して、買戻の意思表示をなした。」

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旨の主張をしたものと解することができるから、原判決に所論の弁論主義違反の違

法がなく、また右代金口頭提供の事実および控訴人らが右意思表示の際、右金員を

手許に準備していた旨の原審の事実認定も原判決挙示の証拠により肯認できるから、

原判決に所論の経験法則違反あるいは審理不尽の違法がない。

なお、買戻契約の趣旨に関する原判決の解釈が適法であることは、上告論旨第二

点(Ⅰ)において判示したとおりであるから、原判決に所論の経験法則違反の違法

がない。

論旨はすべて採用できない。

同第三点について。

記録によるも、所論指摘の点について原審に釈明を尽さなかつた違法があるとは

認められないから、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

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